私たちのオリーブオイルは、シチリア州トラーパニ県の小さな町、サンタ・ニンファで生まれました。
なだらかな丘陵と起伏に富んだ地形、小川が流れる穏やかな自然に包まれた、美しい土地です。
この町は1605年に誕生しましたが、1968年にベリーチェ渓谷を襲った大地震により、甚大な被害を受けました。
その後、1980年代に町は再建され、現在では高品質な農産物を育む地として、数多くの生産者が集まる地域へと生まれ変わっています。
シチリア西部に広がるベリーチェ渓谷(カステルヴェトラーノ、カンポベッロ・ディ・マザラ、パルタンナ、サンタ・ニンファ、ポッジョレアーレ、サラパルータ各市町)では、島を代表するオリーブオイルが生産されています。
その中心を担うのが、「ノチェッラーラ・デル・ベリーチェ」種。
シチリアでも特に希少で、地域全体のオリーブの97%を占めるこの品種は、実が大きく(5〜7g)、丸みを帯びた形状としっかりとした果肉が特徴です。色は熟す前は濃い緑、完熟すると深いワインレッドへと変化します。
果肉は全体の約85%を占め、油の歩留まりは18〜20%と非常に高く、食用・オイル用いずれにも適した優れた品種です。水はけの良い肥沃な土壌を好みますが、条件の劣る土地でも安定した収穫が可能です。
私たちのオイルは、トラーパニ県内の丘陵地帯で収穫・生産されています。
そこを流れるベリーチェ川は、セルリヌンテ近くで地中海に注ぎ、その河口付近には、古代シカニ人やエリミ人、フェニキア人、ギリシャ人が定住し、すでに紀元前5世紀にはオリーブ栽培と搾油を行っていたことが、神殿跡の近くで発見された石臼によって明らかにされています。